グランフォーレヴィラ強羅倶楽部の挫折
森観光トラストがグループ初の個人向け会員制リゾートクラブとして発売した「グランフォーレヴィラ強羅倶楽部」は、結局、発足することなく、ホテルは一般向けに「http://www.granforet-villa.jp/」として開業した。
森観光トラストは、法人向けに福利厚生施設のアウトソーシングを目的とするリゾートクラブ「ラフォーレ倶楽部」を全国に展開しているが、富裕層をターゲットにした個人向けリゾート会員権のブランドとして「グランフォーレヴィラ」を立ち上げると発表しており、強羅はその第一弾のはずだった。
富裕層向けといっても、リゾートトラストがエクシブ サンクチュアリヴィラで展開している内容とは異なり、「完全な大人向け」を標榜していた。キャッチフレーズは「価値を認め合える大人のための真のヒーリング・リゾート」。社交サロン的な運営を目指し、レストランでの服装制限や、12歳未満の子どもの共用部利用の一部制限など、これまでのリゾート会員権とは一線を画したコンセプトが提示されていた。
実際、同会員権は、2004年4月27日より縁故募集100口を皮切りに販売が開始され、丸の内にある東京サロン内にはモデルルームが開設されていた。会員制としての立ち上げが断念された時点で、入会者には返金が行われたという。
ホテルスパ施設の運営には、世界的なスパブランドとして名高い「Banyan Tree Spa(バンヤンツリー・スパ)」(本社シンガポール)があたることになっていたが、こちらも立ち消えになったようだ。ちなみに、海外のスパではお部屋で男女カップルでのトリートメントを行うのが一般的だが、この行為は日本では風営法に抵触するのだという。
下記に挫折の記録として、グランフォーレヴィラ強羅倶楽部の募集概要を記録しておこう。
ホテル計画概要
- 所在地 / 神奈川県足柄下郡箱根町強羅字向山1320番地
- 開発面積 / 6,135平米(竣工後提供公園184平米含む)
- 部屋タイプ / 90平米タイプ、70平米タイプ、50平米タイプの3タイプ(一部、ペット同伴タイプ)
- 収容人数 / 約200名
- 付帯施設 / レストラン(2ヶ所)、バー、温泉大浴場、スパ
- 開業予定 / 2005年3月
会員権概要
- 権利形態 / 部分共有制による不動産小口分譲
- 総募集口数 / 760口(1室換算10口相当)
- 一口あたり年間36泊分の宿泊権利
- 年会費 / 100,800円〜138,600円
- 施設利用料 / 10,500円〜13,000円(室料)
- 90平米タイプ 本体価格 20,700,000円 (税込 21,416,000円)
- 70平米タイプ 本体価格 14,600,000円 (税込 15,059,650円)
- 50平米タイプ 本体価格 9,500,000円 (税込 9,767,500円)