ゼロ円のリゾート会員権

リゾート会員権の売買は、ネットで営業している仲介業者を通すことが一般的になってきた。たくさんの業者があるが、とある1社で、ゼロ円(0円)の価格の付いたリゾート会員権を見つけた。

会員権名は「アルティア鳥羽」。現在はセラヴィリゾート泉郷が委託されて、同社の会員向けの施設ならびに一般向けリゾートホテルとして運営している。オーナーはビデオレンタル大手の「ゲオ」である。破綻した住宅ディベロッパー「地上社」がバブル期に920万円で売り出した会員権だという。
この会員権はゼロ円だから、今の持ち主は当然「ただで差し上げます」という状況だ。買い入れる方は、ゼロ円とはいえ、名義変更料10万円に、仲介業者への手数料10万円、さらに共有制の会員権なので不動産の登記費用、そして当たり前だが年会費が毎年かかってくる。年会費は8万円だ。

今の持ち主にすれば、ただでもいいからとにかくもって行ってほしい、ということなのだ。もしかしたら、仲介業者に手数料を払っているかもしれない。一時的に出費をしてでも、毎年の固定資産税と会費から逃げ出したいのである。

資産価値はゼロどころかマイナス。世の中には、このような「死んだ会員権」がまだまだたくさん眠っている。